水泳技術の発生については16世紀の古文書までその歴史をさかのぼることが
できますが、水泳がスポーツとして行われるようになったのは、19世紀に
なってからです。
19世紀前半の水泳は、平泳ぎと横泳ぎが主流でした。その後、多くの改良が
なされましたが、ひと掻きが終了してから腕を水面上に出すと、
より速いスピードが出ることを知った
イギリスのトラジオン氏が腕を水面上に交互に抜き上げて泳ぐ
「トラジオン泳法」を考案し、
1873年からの競技会でこの泳法が使われました。
この泳ぎは、日本泳法の「早抜手」といわれる泳ぎに似ていたようです。
そして、トラジオン泳法のあおり足がバタ足になり、クロールに発展しました。
バタ足の導入は画期的なことで、新しい競泳の時代を生み出すきっかけと
なったのです。
初期のクロールはオーストラリアンクロールといわれ、4ビートでしたが、
その後アメリカで改良され、6ビートとなりました。
「水泳指導教本」(大修館刊)参考